インバーターエアコンとは

インバータエアコン

かつては高級エアコンとして従来型のエアコンと差別化するため「インバータエアコン」と表示しているものが多くありましたが、最近では技術革新が進み、販売されているルームエアコンの殆どがインバータエアコンになっています。

電力会社から送られてくる交流を直流に変えることをコンバート(変換)、変換された直流の電気を再び交流の電気に変えることをインバート(逆変換)といい、そのインバートするための機器のことをインバータと呼びます。圧縮機を動かすために使われている電動機へ電気を送る際にも利用されております。

一見すると電力会社から送られてくる交流電流を、直流に変えて、また交流に戻して利用することは、必要以上の行程があるため、むしろ省エネルギーにはならないように思えますが、実はインバータを用いることによって電動機の回転数を大きく変えることができるため、、エアコンの能力値を変化させているので、結果として省エネルギーになります。

一般的に圧縮機に使用されている電動機の回転が速くなるほど圧縮機の能力は増大します。そこで、急速に冷やしたい、或いは急速に暖めたいときは、電動機の回転を速くしてエアコンの能力を大きくし、設定温度に近づいたら電動機の回転数を落として消費電力を減らす。これを繰り返すことによって、省エネルギーが実現できます。

インバータが使われていないエアコンでは、部屋の温度が設定温度になるまで、圧縮機は同じ能力で運転します。設定温度に達すると運転が止まり、ある程度、室温が変化するとエアコンはまたフル回転で動き出します。当然、電動機が始動するときの始動電流は大変大きくなり、、運転・停止を頻繁に繰り返すと消費電力が大きくなってしまいます。

しかし、インバータエアコンでは、室温が設定温度に近づくと電動機の回転を遅くして連続運転を続け、圧縮機のONとOFFを極力減らします。これが省エネルギー運動になることになります。また、インバータが使われていないエアコンでは、室温が大きく変動しますがインバータ内臓エアコンは室温に応じて電動機の回転数を自動的に変えるので、室温の変動が比較的少ないのが特徴です。

インバータエアコンの長所

インバータエアコンの長所をまとめると次のようになります。
(1)省エネルギー性
 従来の定速エアコンの温度制御は、圧縮機のONとOFFの回数を減少させ、ロスを低減させます。
 また、冷媒循環量は定格時に熱交換器に流れる冷媒循環量より減少し、圧縮機負荷が小さくなるため、空調効率が改善される。暖房運転ではその効果はさらに大きくなります。
(2)快適性の向上
 運転開始時は高能力ですばやく設定温度まで近づけて、その後、室温の急激な変化は少ない。
 立上り運転時間、設定温度到達後の室温変化の違いが読み取れる。
(3)暖房運転時の能力の増加
 従来型エアコンは外気温が低くなると、暖房能力が大きく低下しますが、インバータエアコンでは圧縮機の回転数を上限させることにより暖房運転の特性を改善しているのが特徴です。
(4)50/60Hzにかかわらず同一の能力
 従来エアコンでは、50Hz地区では、60Hz地区の能力の約80%前後でしたが、インバーターエアコンであれば自動的に能力を使い分けるので同じ能力で運転できる。
(5)始動電流の低減
 従来エアコンは始動電流が大きいが、インバータエアコンは低周波数でスタートし、加速していくので、始動電流が小さく電圧低下などにより、ブレーカーが落ちるなどその他の機器への悪影響が少ないです。

インバータエアコンの短所

インバータエアコンの短所は次のようになります。
(1)ノイズによる障害
 インバータ照明などと同じ理屈ですが、インバータ回路からは多少高調波ノイズが生じます。そのため、微弱信号を扱うテレビやラジオに影響を与えることがありますが、最近の機器は大抵改善されており、そういったことはほぼ起こらないと考えていいでしょう。
(2)機器のコストアップ
 インバータ回路は従来型のエアコンに比べ、機器そのものが高価なのため、壊れた時の修理代が高くなる傾向があります。

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